醜い卵
昔、あるアサガオの葉の上に虫の卵がありました。卵は自分が何になるかワクワクです。
そこへ芋虫がやってきました。
「ねえ君は一体に何になるんだい?」
芋虫は聞きました。
「さぁね、でも君より大きい何かになるよ」
卵は自信ありげに答えました。
次に蛾がやってきました。
「ねえ君は一体に何になるんだい?」
蛾は聞きました。
「さぁね、でも君より美しい何かになるよ」
卵は自信ありげに答えました。
最後にカブトムシがやってみました。
「ねえ君は一体に何になるんだい?」
カブトムシは聞きました。
「さぁね、でも君より立派な何かになるよ」
卵は自信ありげに答えました。
次の日雨が降り、卵は雨粒に流され葉から落ちました。卵は孵化することなく、死にました。