ウサギとカメremix

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昔々、あるところに、ウサギとカメがいました。

 

「僕は競争なら誰にも負けないよ。」

 

ウサギは言います。

 

「僕だって負けるもんか。」

 

カメも負けずに言います。

 

「それでは、近くにある〇〇村までかけっこで勝負に行こうじゃありませんか、カメさん。」

 

「望むところですよ、ウサギさん」

 

こうして2匹はかけっこの勝負をすることになりました。

 

よーい、どん!

 

勝負が始まりました。ウサギはピョンピョン跳ね、ぐんぐん亀をつき放します。一方カメはノロノロとしか歩けません。

 

ウサギは少し行ったところで後ろを振り返ります。

 

「カメさんは随分と遅く歩くなぁ。まだとうぶん追いつかれなさそうだから、ここらで一休みしよう。」

 

そう言うとウサギは道端で寝始めました。

 

それからしばらくすると、ノロノロ歩いてきたカメがついにウサギの寝ているところまでたどり着きます。

 

「ウサギさんってば追いつかれないと思って寝ちゃってる。どれだけ僕をバカにするんだ。よし、寝ているすきに早く進んでおこう。」

 

そう言ってカメは道を進んでいきました。しかしどれほど進んでも、一向に〇〇村へはたどり着けません。

 

「おかしいな、そろそろ着いてもいいんじゃないか?」

 

カメはだんだんと不安になりました。と言うのもカメは〇〇村がどこにあるのか知りません。カメはただウサギが走ってきた道を進んできただけでした。

 

こうしてカメは気づかぬうちに迷子になって、競争は諦め、元来た道を帰りました。

 

一方、ずっと寝ていたウサギも、ついに目が覚めました。すると目の前にカメの足跡がありました。

 

「やられた!」

 

ウサギは慌ててカメの足跡を追って走りました。

 

「くっそー、あんな奴に負けてたまるか。」

 

こうしてカメの後を追っていたウサギでしたが、その足跡が突然、終わってしまいました。

 

慌ててウサギが辺りを見渡すと、そこはウサギが来たことがない場所で、どこに向かえばいいかさっぱりわかりません。

 

困り果てたウサギはどうしようもなく、元来た道を帰り、勝負をやめてしまいました。